新型コロナの緊急事態宣言が終わり、やっと普通の生活を取り戻せるかと思いきや、海の彼方から新たな「問題」がやってきた。それが軽石だ。
軽石がもたらす被害
新聞やニュースでは、軽石が原因による被害が次のように報道されている。例えば、船のエンジンに取り込まれて船が故障したり、魚が餌と勘違いして死んだり、海の景観を損なったりと、連日報道されているのだ。確かに報道を見る限りでは、被害が出ている。
そして、軽石の被害による影響は今後どう我々の生活に影響するのだろうか?
軽石がもたらす影響
一番は漁業だ。軽石によってエンジン損傷を恐れ、船の航行に支障が出る。漁に出られないから魚が採れない。つまり魚の需要に応じて、魚介類の高騰につながる恐れがある。また、漁に出られたとしても、魚や貝類が餌と勘違いして死滅するので、魚が採れなくなる。多分、上で述べたように魚介類の高騰につながる恐れがあるだろう。
次に運送関係だ。ここ沖縄は、ほとんどの生活必需品、石油から食料、その他多くの物品を本土からの輸送に頼っている。船の航行に影響が及ぶ場合、今まで通りに物資が期日中に届かなくなったり、遅れが生じてしまう。もちろん資材関係も大きく影響が出るだろう。輸送能力の不足を補う形で航空輸送に割り振られるので、航空輸送業界はパンクしてしまうかもしれない。
そして観光業だ。海の美しさを売りに観光客を誘致してきた今、海の景観を損なう軽石により、来県する観光客が減る可能性だってある。例えばビーチ、そしてダイビングも船が出せないため、潜水するスポットにも行けなくなる可能性だってあり得る。
さらに軽石の処分をどうするかという問題がある。コロナの後にこういった懸念材料がある一方、軽石による一つの可能性を見ていきたい。
軽石がもたらす可能性
新たな産業の創出が挙げられる。軽石を除去するには、軽石を除去するための人手が必要となる。そのためには機材や人員が必要となる。つまり軽石を除去するにあたり、新たな雇用とビジネスが創出されるのだ。
除去した軽石を処分するという課題もある。莫大な量が漂着し、海からすくい上げた軽石。この量は、現在でもとどまることを知らない。これを焼却処分するのか、埋設するのか、いまだ方向性が見えてこない。ただこれも新たなビジネスチャンスとなることにもつながるだろう。
軽石を有効活用する可能性もある。軽石は取り扱いが難しい「漂流物」かもしれない。けれども、破砕して粉にすれば、砂として利用できるかもしれない。そうすれば、材料不足が問題となっている建築業界でも活用できるかもしれないのだ。また、場合によっては、美容関係、健康関連用で活用することだってできるかもしれない。また水をろ過するのに適したものであると分かれば、水質向上に役立てることだってできるかもしれない。もうすでに一部の農業関係者は、軽石を水を通すのに便利ということで、漂着した軽石を農地で活用しているところもある。
「負」を「正」に変換することが大事
要は、今ある問題を可能性として見る発想の転換がとても大切だということをお伝えしたいと思い、軽石の問題を考えてみた。ただの厄介者である軽石を、どうにか活用してビジネスチャンスを作り出したり、プラスの面でとらえることができれば、そこには必ず「可能性」が見えてくる。
米軍ビジネスにも同じことが言える。負の側面でとらえる米軍ビジネスと、正の側面でとらえる米軍ビジネス。発想の転換には必ずチャンスがあることを忘れないでほしい。