米軍調達案件はとてもわがままだ。
調達案件の金額が大きくなると予想されればされるほど、作業内容が複雑になればなるほど、非常にわがままになる。
調達案件、とりわけ建築プロジェクトでは特にわがままだ。
どのようにわがままかというと、応札日が伸びてしまうこと、それも大幅に伸びてしまうことがある。
ということは、せっかく立てた計画ももう一度練り直さなければならないことになるからだ。
応札日が伸びてしまう3つの理由
米軍調達案件の応札日が変更になる3つの理由には、
- プロジェクトの仕様書や図面変更
- プロジェクト内容に関する質問回答が遅れる
- 予想応札企業が少ない
の理由に大きく分けられる。
プロジェクトの仕様書や図面変更
プロジェクトによっては、仕様書の記述内容がプロジェクトの業務内容に合わない記述や、不足している記述が多く見られることがある。
というのも、米軍プロジェクトの仕様書はテンプレートをもとに作成されているため、建築プロジェクトで求められる内容と実際に必要な作業内容にずれが生じることがよく起こるのだ。
また図面の変更はめったにないが、不足情報を補うものとして既存の施設や設備の現状図面を添付することで内容を修正・変更し、応札日の変更になることがある。
プロジェクト内容に関する質問回答が遅れる
米軍プロジェクトの調達公告が出され、現場説明会やオンライン会議が行われた場合、多くの質問が案件に興味を持つ多くの企業から契約事務所に寄せられる。
契約条件の他にも技術的なこと、仕様書、図面などの情報に関して質問を受けた際、契約事務所は技術的な質問に回答すべく、米軍管轄の技術部や技術者に回答を求めて、集めた情報を質問ごとに回答する流れを取る。
情報があいまいであればあるほど、不確かな情報であるほど回答が遅れるのはよくあることだ。
質問に回答する時間がかかればかかるほど、その調達案件の応札日は遅れてしまう。
応札日を過ぎてから質問回答を提出し、応札日が延長されるなどということも契約事務所によって起こる。
予想応札企業が少ない
応札日になって応札企業が1社もしくはゼロの場合、調達案件の応札日を変更する場合がある。
とりわけ緊急度や重要度の高い案件であるほど、応札日を延長することがあるのだ。
案件に関して特殊なプロジェクト、難易度の高さ、情報不足な案件ほど、調達案件に応札する企業は少なくなる。
契約事務所は競争入札を促す立場として、応札企業が極端に少ない場合は、仕切り直しで応札日を延長する。
だから調達案件はわがままなのだ
このように調達案件は困ったわがままちゃんなのだ。
もちろん応札する側としては、必要な情報を取りそろえて入札に挑みたいのはわかる。
米軍契約事務所がプロジェクトを公告する際には準備不足感があるのもわかる。
こうやって調達案件は日々変化していく。
調達案件の内容に変更がないか、調達案件の【わがまま】に翻弄されないためにも、余裕のある心構えで調達案件に取り組んでいかなければならない。
本当にわがままなところは許してあげてほしい。