これは米軍ビジネスに携わっている企業でも、知っているようで実は分かっていない事実だ。米軍プロジェクトに携わるということは、元請け企業、協力企業に関わらず、直接的・間接的にアメリカ連邦政府と仕事をすることを意味する。
米軍基地はフェンスで仕切られたところで日本国内にあり、一応建前上【日本国の施政権】の範囲内にある。ただ、日米地位協定の中では、敷地内は米国連邦政府の法律も併せて適用される、なんとも複雑な事情があるのだ。けれども基地内の仕事、とりわけ連邦政府が支出する米軍プロジェクトはすべて【連邦政府の定める法律】に基づき契約を履行することが求められる。
何か不都合があれば「ここは日本だから日本のやり方を通すのが普通だろ」と言う人がいるが、そういう言い訳は通用しない。もちろん場合によっては日本のやり方が通用することもある。郷に入らば郷に従えという教えがある通り、基本は米軍プロジェクトに携わるのであれば、すべてのルールの前提は「アメリカ政府の定める法律」に則り、契約通りに作業を進めることだ。
だから、材料選定も基本はアメリカ製品を使用しなければならず、作業の進め方もすべてアメリカ式で行うように求められる。もちろん、かたくなにアメリカ式、アメリカ製を使用しなければならないというわけではない。日本国内で入手できる日本の製品、日本式の作業で必要な作業を進めることも可能だ。その場合は、前もって許可申請を行うことが求められる。
あなたが米軍基地で仕事を進めるのであれば、アメリカ政府と契約を結ぶことだということを覚えて仕事に取り組んでほしい。