特に大規模で複雑、そして多くの関係者が関与し、厳しい要件が課される米軍の建築請負プロジェクトにおいて、
プロジェクトを成功に導くためは小さな目標をたて、マイルストーンを築くことは大切だ。
なぜ小さな目標を達成するとプロジェクトが成功へとつながるのか?
小さな目標達成の手法は複雑で大規模になりがちな米軍プロジェクトを成功に導くための、非常に効果的なプロジェクト管理の手法である。
そのメリットについて加えて説明したい。
- 計画とスケジュールの精度向上:
- 大きな目標を小さな単位に分けることで、各作業に必要な時間、人員、資材などの見積もりがより正確になる。
- これにより、プロジェクト全体のスケジュールやリソース計画の精度が向上し、無理のない現実的な計画を立てやすくなる。
- 進捗管理の容易化と問題の早期発見:
- 小さなゴールごとに進捗状況を確認できるため、計画通りに進んでいるか、遅延が発生していないかを早期に把握できる。
- もし問題が発生した場合でも、影響範囲が限定的であるうちに発見し、迅速に対応策を講じることが可能になる。これは、厳しい納期や品質が求められる米軍プロジェクトにおいて特に重要だ。
- リスク管理の強化:
- プロジェクト全体のリスクを一度に把握するのは困難ですが、小さなゴールごとに潜在的なリスクを洗い出し、対策を立てることで、よりきめ細やかなリスク管理が可能になる。
- 個々のリスクがプロジェクト全体に与える影響を最小限に抑えることができる。
- チームのモチベーション維持と向上:
- 長期にわたる大きなプロジェクトでは、なかなか達成感を得にくいものですが、小さなゴールを一つひとつクリアしていくことで、チームメンバーは達成感を感じやすくなり、モチベーションを維持・向上させることができる。
- 関係者との円滑なコミュニケーション:
- 発注者である米軍側の担当者や、その他の関係者に対して、小さなゴールに基づいた具体的な進捗状況を報告することで、透明性が高まり、より円滑なコミュニケーションが期待できる。信頼関係の構築にも繋がる。
- 品質管理の徹底:
- 各小さなゴールの完了時点で品質チェックを行うことで、初期段階で問題点を発見し、修正することが可能になる。手戻りを防ぎ、最終的な品質確保に貢献する。これは、USACE(米国陸軍工兵隊)のような厳しい品質基準が求められるプロジェクトでは特に有効である。
- コスト管理の効率化:
- 作業単位が小さくなることで、それぞれのコストを正確に把握しやすくなり、予算管理の精度が向上します。予期せぬコスト超過のリスクを低減できる。
- 柔軟性と適応性の向上:
- プロジェクトの途中で仕様変更や予期せぬ事態が発生した場合でも、小さな単位で計画を見直すことができるため、全体への影響を最小限に抑えつつ、柔軟に対応しやすくなる。
大きく複雑で大規模なプロジェクトほど、細かく仕事を分解し、目標を小さく掲げ少しずつ達成することで、最終的なゴールへとつなげていくことができるようになる。
難しいと思っていても意外と簡単にできることは結構ある。