今週は多くの企業、特に建設関連企業の関係者から話を聞く機会があった。そこで私が必ず担当者に聞かれる質問は、「沖縄県内の企業で米軍プロジェクトを落札している企業はいますか?」というものだ。確かにそういった業界に関する話を聞きたがることはよくある。
そこで私は、いくつかの企業がどの案件を落札しているかを説明し、こう続けて答える。「多くの案件を落札している企業は、何といっても本土系の準ゼネコンの企業が圧倒的に多いです。現状では、建設プロジェクトもパッケージ化されたり大型化され、県内企業が単独で落札できそうな案件が少なくなりつつあります」。
すると担当者は、「じゃあ県内企業ではもう落札できないということですか……」と答える。
思考を変えれば「できない」ことが「できてしまう」
建設工事では、2,500万円以上の案件の場合、履行保証ボンドの取得が求められる米軍工事。ボンドの保証枠の確保は県内企業にとってネックであり、参入障壁の一つであると言われている。
けれども、ボンドの保証枠を気にせず米軍工事に参入できる方法もある。それがジョイントベンチャーという方法だ。会社と会社が手を結んで仕事を取るという方法である。ジョイントベンチャーの方法にも、共同で出資するという方法や、出資金が少なくとも労働力やノウハウを提供する方法もあったりと、ジョイントベンチャーの形式は様々だ。一つのプロジェクトを完了させるまでの特別目的会社(SPC)の形態で、プロジェクトが終われば解散するといった方法だってある。
自社単独で案件獲得に動くよりも、はるかに楽に仕事を進めることができるわけだ。思考を少し変えるだけでも、こういった方法で案件獲得に動ける。ここ最近の動向を見ても、県内企業と本土系企業、外資系企業とのタイアップや連動があるのだ。
自社で案件を取りに行くことで不利になることを、有利に進めるためにどんな方法論があるかを考えてみてほしい。あなたの会社の思考が、結果となる。
「できない」を「できるか」にどうやって変換していくのか?これがビジネスの醍醐味であり、問題解決のヒントにつながるだろう。