「米軍プロジェクトの50%は書類作業だ」。これは、私が先々週お会いした恩師の言葉だ。
例えば米軍の工事プロジェクトの場合、プロジェクトを進めるためには、材料や計画書など、承認用の書類作成が膨大にある。一つ一つの書類を作成し、提出して承認をもらう作業があるのだ。米軍プロジェクトの元請け企業は、それら書類作業を専属で行うチームを持っている。それだけ膨大なボリュームの書類作業が待っているということだ。
米軍プロジェクトで書類作業を効率的に行うには、とても大切なスキルが3つある。今回はそれら大切なスキルを紹介する。
米軍プロジェクト書類作成の必修スキル
- 英語力 米軍との取引なので、英語は必須だ。英語力といっても、専門用語を駆使して使えなければならない。
- タイピングスキル 膨大な書類量を処理しなければならないので、可能な限り早く文字を書き起こす必要がある。なので、ブラインドタッチのほか、迅速なタイピングスキルが求められる。
- パソコンのソフトスキル ソフトスキルといえば、Word、Excel、PDFの3つのソフトをある程度使いこなせることができれば問題ない。
他にも米軍プロジェクトで必要なスキルはあるが、まずはこの3つがあれば問題はないだろう。これらは、米軍基地内のどんな業種でも求められるスキルだ。これら3つのスキルがあれば、ある程度のプロジェクトを効率よく進めることができる。
米軍プロジェクトは時間との勝負
焦らずじっくりと確実な書類作成を心がけることはもちろん大事な考え方だが、何よりもできた書類からすぐに提出し、承認をもらうことが大切だ。もし時間をかけてゆっくりと書類作成をしていれば、調達に時間がかかる海外資材調達のやり取りも遅れたり、プロジェクト開始も遅れたりする。
プロジェクト期限が設けられている米軍プロジェクトの場合、書類作成、承認にかける時間を逆算しながら進めていかなければならない。だから、サクッと書類を作成し、承認をもらうようにすることがとても大切だ。
米軍の調達案件を獲得した後が大変だと言われるのは、こういった書類作成、しかも英語での作業がとても骨の折れる仕事だからである。だからこそ、書類の波に溺れることがないよう、事前に書類作成の専門チームを持つことが大切だ。これも、米軍プロジェクトを担う企業が持っていなければならないメンバーだと言える。