僕らは今、とても幸せな時代に住んでいる。
どこかに行きたいと思えば、車を運転すればどこにでも行ける。
日本の外に出たいと思えば、飛行機に乗っていくことで外国に行くことができる。
もし自分で飛行を操縦したいと思えば、免許を取って飛ぶことができるのだ。
けれども、いまから250年前の日本では、犯罪だったのだ。
かつての日本では空を飛ぶことは犯罪
時代は江戸時代。
浮田幸吉という手先の器用な人間がいた。
傘を作ったり、表具屋では襖や掛け軸を作る技術で手先の器用さを十分に発揮し、職人として技を磨いた。
ある日、彼はお寺を散歩していると、鳩が群れているのを見る。
その中から一羽を捕まえてじっくりと見る。
じっくりと羽根の構造や大きさを観察し、思い立って【空を飛ぶこと】を考えたのだ。
竹や紙を自分の大きさに作り上げ、実際に飛べるかを試そうとして旭川という川にかかる橋の上から飛ぼうとする。
そして橋の周りで夕涼みを楽しんでいる大勢の人々の前で、幸吉は飛び降りた。
結果は【成功】。
50m近く滑空し飛ぶことに成功したのだ。
しかし幸吉の飛ぶ姿を見て人々は驚き、恐怖を感じた人もいたそうだ。
人々のうわさが広まり、幸吉は岡山藩士に捕らえられることになる。
そして尋問を受け、彼には【追放】が言い渡された。
理由は、人々を騒ぎ立てて迷惑をかけたという理由。
今でいうと騒乱罪で追放ということだ。
かつての昔の日本では、飛ぶことはおろか、何か新しいことに挑戦することは罪だったのだ…
新しいことをやることは悪いことじゃない時代
浮田幸吉は新しいことに挑戦することで罪に問われ、住む場所を追い払われた。
けれども現代で新しいことに挑戦することは罪だろうか？
新しいことに挑戦することは、むしろ変革者として好奇な目で見られるかもしれないが、時代を作る人、違う結果を求める人は新しいことに挑戦する。
今の結果と違う結果を求めるのであれば、違うことに挑戦しなければならない。
その挑戦があなたにとってどのようなものであるのかを考えてみてほしい。