毎日、ウクライナ情勢の緊迫したニュースが流れ、先週の地震に続き、その影響で東京の電力がひっ迫して節電を迫られるなど、今までの生活が変わりつつあるこの世の中だ。
少しだけ米軍ビジネス、そして今あなたが取り組んでいるビジネスに関わるヒントを話したい。それが攻勢限界点という概念である。
攻勢限界点とは?
戦いにおける攻撃側の優勢のピークのことを言う。
つまり、戦いにおいて自軍が有利な状態であることには限りがあるということだ。
歴史を例にいえば、アレキサンダー大王のギリシャからインドまでの遠征、徳川家康の日本統一による江戸幕府、第二次世界大戦の日本軍によるミッドウェー海戦前などが、軍事活動で一番勝利のピークとなったポイントだ。
この攻勢限界点を過ぎると、これまでの戦いによって、軍隊として物資や兵士の消耗により新たな軍事作戦を実行したり、継続したりすることが難しくなっていく。
また、攻撃を加え占領した地域を維持、防衛する必要も生じるため、新たに敵を倒すことよりも、手に入れた地域を維持するために新たな物資や人員を割かなければならなくなる。
そうすれば自ずと攻勢を仕掛ける物資や人員が足りなくなるのだ。
ビジネスにも攻勢限界点がある
攻勢限界点の概念は軍事学の概念だが、僕らビジネスにもとても応用が利く概念だ。
つまり会社としてビジネスの限界点に達するとは、新規事業を起こした場合、どれだけ多くのクライアントや案件を獲得できるかに注力しがちだが、案件やクライアントを獲得した場合、受けた仕事を受けられる数には限界があるということだ。
案件に充てなければならない人員、その事業を運営する資金、必要な設備など、使えるものに限りがあると新規事業としての運営に限界がある。
またライバルの動向を考えると、自社としての案件、クライアントを維持していかなければならない。
これが自社としてビジネスの限界点となるのだ。
限界点を突破し更なる目標を達成するためには
これも戦いの概念だが、人員や物資を補給し、作戦を変更する必要が生じる。
ビジネスでも新たに業務拡大を目指す場合、新規採用者で人員を補充し、事業拡大のための資金確保、資材を確保する必要がある。
そして何よりも目標達成のためのビジネスプランを練る必要があるのだ。
そして新たに戦いを挑む。これが攻勢限界点突破の方法である。
守りは安定はするが成長はしない
守りは安定するかもしれない。
けれども安定は、消耗をカバーできない状況では非常に不利になる。
例えば一つの街を敵に包囲された場合、敵は補給ルートを遮断すべく、物資や人員の移動ルートを狙って攻撃を仕掛けてくる。
包囲された街の補給は滞るだろう。
包囲された街は補給がなければ、消耗するばかりで徐々に戦力を削がれる。
戦国時代の兵糧攻めなども、たいていは外部の支援がなければ城は落とされてきた。
ビジネスの現状維持は守りだ。
ウクライナ危機、インフレ、コロナ、電力不足。不穏な状況に包囲されている場合、現状維持は消耗することになる。
今は大丈夫だとしても、いつまでもこの状況が続くことはない。
あなたがこれからの将来を考えた場合、どうすべきか答えはあるはずだ。