アメリカには感謝祭という大型連休がある。感謝祭の前後には、有給を使って連休を取る人が多くいるのだ。そのおかげで今週は、少し米軍基地内も動きが鈍いようだ。今日は感謝祭ということで、米軍調達の情報はない。なので今日は、私の感謝祭についてのお話に付き合っていただければと思う。
感謝祭は収穫のお祝い
普通、アメリカの感謝祭では、あちこちにいる親戚が両親や祖父祖母の家に集い、豪華なごちそうを食べながら過ごすことが一般的だ。よくあるのが、七面鳥の丸焼きにグレービーソース、マッシュポテトにパンプキンパイやアップルパイといった定番メニューである。私も2年前まで那覇にあるシーメンズクラブという海軍のクラブで感謝祭ディナーを食べに行った。
話がずれたので元に戻そう。感謝祭はそもそも、収穫と神から受けた祝福に感謝を示すもので、17世紀にアメリカに上陸した主にイギリスの清教徒のお祝いから始まった歴史がある。1620年の冬は特に厳しく、当時は収穫したものが満足いく量もなく、飢えで苦しんでいるイギリス人を当時の現地民であるインディアンが、自分たちの食料を分け与え、ともにお祝いしたことが起源と言われている。
元々はヨーロッパの収穫祭を祝う文化がアメリカに持ち込まれ、その年の収穫を祝うものが混ざったのが現代の感謝祭と言われているのだ。七面鳥を食べる文化もこの頃から始まっているとされる。
現代では感謝祭は宗教的な意味合いがかなり薄れ、一種のお祭り的な要素が強くなっている。例えばブラックフライデーは、感謝祭の時期に合わせてのビジネスで1年で一番の売り上げを上げる時期と呼ばれ、金曜日から日曜日の4日間に開催される。そしてその翌日の月曜日は、サイバーマンデーと呼ばれるネットショップのセール期間だ。
このように300年間をかけて大きく変わった感謝祭だが、平和に心の安らぎを得る伝統には変わりはないようだ。