この方法は、英語の文書を読める前提での話だ。それは、欲しい情報が書かれている章の参考文献や参考規格書がどんなものかを知ることである。

ぶっちゃけ言えば、仕様書の記述は極めて不親切で回りくどい記述で書かれている。公共工事の仕様書と同じく、回りくどい記述は日米共通のようだ(笑)。とりわけ技術的なことで、仕様書記載の内容をさらに深く掘り下げたものが参考文献なのだ。ということは、仕様書に記載された内容を紐解き、ヒントを与えてくれるのが【参考文献】である。


参考文献は情報の一次ソースとして極めて最適

通常、仕様書には必ず、参考文献が章(もしくはセクション)の最初のページに記載がある。JISで代替できる規格がある場合は、JISの番号が記載されている。JISでカバーできない規格がない場合は、それに従ったアメリカの規格が記載されているのだ。例えば、材料規格であればASTM, AASHTOや、保証期間規格であればUL、消防規制に関してはNFPA、電気関連であればNFPA, NEC, NEMA, AWGなど、略語だらけの規格がある。だが、それらの資料を読み解けばおおよそは解決できる。

なので、仕様書の記載で理解できないところがあれば、アメリカ規格や日本規格から仕様書記載の情報を抽出することでカバーできる。仕様書、規格書を読み解くというのは結構面倒かもしれないが、これはこれで、プロジェクトを失敗するという最悪の事態を回避できるという大きなメリットがある。私はこれまでそういった情報収集を得意として、様々な面倒なトラブルを避けることができた。そして、こういった参考文献を読み、理解することで、米軍側と交渉をうまく進めることができるのだ。


それでも解決できない時は

もちろん、我々日本人はバイリンガルでない限り、情報抽出、とりわけ仕様書から情報を取り出すことはかなり大変だと思う。でもそんな時は、抽出して調べた記載内容が自社の解釈と合っているかどうかを調べる方法として、何といってもRFIがある。

RFIとは、何かしらの情報を得たい場合、米軍契約事務所に情報提供を依頼する、いわゆる情報依頼願いだ。つまり、自社が欲しい情報について、米軍にあらかじめ解釈が正しいかどうか判断してくださいとお願いするのだ。その上、RFIは米軍契約事務所の公式見解となるので、後々トラブルになった時、「言った言わない」が通用しない。なので、RFIに対して米軍側は慎重に答えを選んで回答する。とりわけ仕様書の解釈については、あいまいに答えたり、仕様書をそっくりそのままコピペして返したりすることがある。そんな時はさらに突っ込んでRFIすることも必要だ。


まとめ

仕様書の解釈は、英語力なども重要だが、一番大切なのは、参考文献と整合性があるかどうかを調べることである。それでも答えが見つからない場合、RFIすることだ。それをすることで、最悪の事態を回避できる。

米軍プロジェクトでは、こういった地道な情報収集と情報分析が必要になってくる。仕様書がベースにプロジェクトが進む分、仕様書に従って厳密にプロジェクトを進める米軍にとっても、自社にとっても大切な書類なので、サクッと情報抽出をするには参考文献も読むようにして、プロジェクトを進めることをお勧めする。

米軍の調達情報とプロジェクトに役立つヒントを毎日配信しています。
ご登録いただくと、今すぐ配信されます。👋

登録は簡単です。
お名前とメールアドレスを登録するだけで、【最新の米軍調達情報とヒント】が受け取れます。

スパムはしません!詳細については、プライバシーポリシーをご覧ください。

米軍の調達情報とプロジェクトに役立つヒントを毎日配信しています。
ご登録いただくと、今すぐ配信されます。👋

登録は簡単です。
お名前とメールアドレスを登録するだけで、【最新の米軍調達情報とヒント】が受け取れます。

スパムはしません!詳細については、プライバシーポリシーをご覧ください。

毎日更新の米軍調達情報の日本語版で読むことができます。米軍ビジネスの解決策のヒント、米軍プロジェクトの手続き、交渉方法、米軍ビジネスに大切な情報満載です。

登録は無料です。下のフォームにご登録するだけでメールボックスに届きます

スパムはしません!詳細については、プライバシーポリシーをご覧ください。