今、建築業界から悲鳴が上がっている。ただでさえ人材不足が深刻で、せっかく舞い込んできた案件を取りに行けないという話をよく耳にする。そして今年あたりから、建築資材の価格上昇が止まらないということも、関係者から何度か耳にした。エネルギー価格がすべて上昇している世の中、じわりじわりと建築資材に影響を与えているのだ。
2020年9月に比べ2021年9月の建築資材は全体的に10%近く上昇
一般財団経済調査会が発表した直近の建築資材(建築・土木)価格指数によれば、ここ沖縄で2020年9月の価格指数が106.9だったのに対し、先月末の価格指数は117.1で、およそ9.5の上昇だ。
詳しくは下記の統計で確認できる。 https://www.zai-keicho.or.jp/price_relative/
1割近く建築資材が上昇していることになる。木材や鉄骨、セメントや砕石など建築の基礎材料が全体的に上昇し、下がる気配が見えない。じわじわとくる価格上昇は建築資材だけではない。機械の修理に必要な部品だって価格は上昇しているし、クリーニング用の洗剤だって上昇している。この状況はしばらく続くことが予想される。
米軍ビジネス業界でも材料価格が上昇
長期契約を持っている企業は深刻だ。落札した金額で契約通りに作業を行わなければならないので、この物価上昇分を契約金額に上乗せすることができないからだ。建築資材が必要なプロジェクトの場合、資材の物価状況を反映させた材料単価に1割を載せるということは、利益を圧迫する。
今後の動向次第では、これからのプロジェクトの応札状況も割増金額を上乗せしなければならない。あなたもきっとこの状況を大変だと感じているかもしれない。今後の動向をしっかり追っていってほしい。