今からちょうど1カ月前の9月11日、バイデン政権は、コロナワクチン接種の義務化を大統領令として発表した。同様に、現政権の国防長官オースティンも、米軍関係者すべてにワクチン接種を義務付けた。また、従業員1,000人以上の大企業には、接種義務を果たすよう通知があった。
それから1カ月経った現在、アメリカの状況はどうなったのだろうか?実は、アメリカの航空業界に大混乱が起こっている。米国内線を担うサウスウエスト航空は、10月9日と10日に合計1,800便余りのフライトがキャンセルとなったのだ。その両日の他の航空会社の欠航率が平均2%であるのに対し、サウスウエスト航空の欠航率は89%に上る。一説によれば、パイロットがワクチン接種の義務化に反対したためストライキを決行したという話だ。
他にも、9月27日にはニューヨークで働く医療関係者で未接種者が解雇または停職となり、救急医療患者の受け入れや外科手術その他の医療活動が止まっているようだ。カリフォルニア州では、全住民のワクチン接種義務化の法案が可決され、一部住民のカリフォルニアからの脱出が始まっているという報道もあった。
ワクチン接種の義務化は悪法か?
もしワクチン接種でコロナウイルスを根絶することができ、人々の健康を取り戻し、かつての生活を取り戻すことができれば、それは良いことだと思う。しかし、ワクチンを接種してもコロナに感染しない保証はないし、ワクチン接種した人でも感染する例は存在する。そして、今までの生活を取り戻せる保証はどこにもない。
ワクチン接種を義務化することで、これまでの生活を取り戻し、コロナに負けない健康な体を獲得することができるのだろうか?ワクチン接種の義務化が正しい選択肢だったのかどうかは、これからしばらく経たなければわからない。
かつてのアメリカでは禁酒法という規制が設けられ、ギャングとの抗争、取り締まりにかかる連邦政府の支出の負担、密造酒の摂取によるアルコール中毒者の増加といった結果につながったことで、制定された法律は廃案となった。そして現在では、禁酒法は悪法だという認識が一般的になっている。
コロナワクチン接種の義務化の法律は正しいルールなのか、それともばかげた悪法なのか。それは歴史が後ほど判断を下すだろう。