毎日配信している米軍基地内の調達案件で、時々落札結果が掲載されているのを見かけるだろう。どうやって米軍基地内のプロジェクトの落札企業を決定しているのか、不思議に思わないだろうか?
僕もいまだにこの決定は不思議で確かなことは言えないのだが、米軍側にも当然決定プロセスというものがある。今日はどんなプロセスで落札企業を決めているのかを紹介していく。
米軍プロジェクトの落札プロセスは2つ
1つめは、書類審査だ。米軍プロジェクトは契約担当官(KOもしくはCOと呼ぶ)という、プロジェクトの予算や契約に関して決定権を持つ担当者が、プロジェクトの入札に求められる書類(例:入札差入書類、企業調査票、過去の実績表、お客様アンケート、技術提案書など)と、履行ボンドの担保額(15万ドル以上の建築プロジェクトの場合)の書類を審査する。入札企業が適切にプロジェクトを履行できるかを書類を通して審査するのだ。
2つめは、入札額だ。日本の官公庁入札と同じく、最低落札額を入れた企業が優先して落札権を獲得する。ただ、日本の官公庁の入札とは異なり、米軍プロジェクトは最低入札額の設定がなく、安ければ安いほど入札には有利に働く。最低入札額に関しては連邦調達規則FARにも記載されており、資本主義至上主義に則り、オファー企業(入札者)の価格設定には制限がない。
落札企業は、この書類審査と入札額の2つの要素によって決定されるのだ。
単独企業か複数企業か?
プロジェクトの性質により、単独企業による落札結果もあれば、複数の場合も存在する。これはプロジェクトの性質によって異なるので、どのような落札形態を取るかは、プロジェクトの作業概要を調べていく必要がある。
落札結果は順当に安く札を入れた企業が有利?
先ほどの連邦調達規則に従えば、安く札を入れた企業が一番有利だ。しかし、プロジェクトの特殊性や複雑さを考慮に入れると、書類審査で優れた企業に分がある。ただ、結果は予想通りにならないこともあるので、安く札を入れたからといって落札結果が安い方に動くかどうかは、何とも言えないところだ。
けれども、落札企業決定プロセスは、上記の2点を考慮し決定されることが「Solicitation」と呼ばれる書類に記載されているので、時間があるときにでも目を通しておくと良いだろう。