昼休憩が終わったばかりでいきなりだが、【今晩何が食べたいだろうか?】
分からないだろう。誰かが家で料理を作り、あなたの帰りを待っているかもしれないので、今晩のメニューが自分の食べたいものとは限らない。もしかしたら、自分で家に帰って自分で料理を作るかもしれないし、どこかで食べに行くのかもしれない。だが、今晩食べたいものと、今晩食べるものは違うことが多いはずだ。
私は今晩は【豚もやし】を食べようと思う。豚もやしは、もやしと豚バラ肉のスライスをフライパンの上で蒸し、大根おろしを添えたポン酢で食べる、とてもシンプルで簡単な料理だ。かねてから母が食べたいと言うので、私が今晩作ることを約束した。時折、母は我々の家に来て夕飯を共にする。そして今日は約束の豚もやしを食べるのだ。
豚もやしを食べるには豚もやしを作る材料が必要
豚もやしを作るのが簡単といっても、材料がなければ作れないのは当然だ。スーパーで豚バラのスライスを買ってきて、もやしをできるだけ多めに買ってくる必要がある。そしてフライパンにもやしを山盛りに乗せ、その上に豚バラスライスで、もやしの山を覆う。一つまみの塩と少量の料理酒をかけ、蓋をして8分間蒸す。豚もやしを蒸している間に、大根をおろし、薬味で青ネギを刻んで、ポン酢の中に大根おろしと青ネギを入れて完成だ。
そう、豚もやしを作るといっても、材料が必要だし、レシピや手順が必要なのだ。米軍ビジネスでも同じことが言える。
何事も始めるには、材料と”レシピ”そして”手順”が必要
米軍ビジネスに参入するには、参入するための材料が必要だ。参入の最低条件である入札参加資格の登録をする、英語要員を揃える、専属のチームを作るといった材料が必要になってくる。
そして、入札情報や競合の動向といった情報収集、自社が参入したい調達市場の案件の情報を入手したり、協力してくれる企業探しといったレシピも必要になる。
また、どうやって応札すればいいのか、仕様書はどう読み解くべきか、参加条件を満たすことができるかどうかなど、手順が必要になってくる。
料理で例えたが、どんなビジネスにせよ、何か物事を始めるには材料と、レシピ、手順というものがある。材料、レシピ、手順の中で、自社が一番足りないものが何かを分析し、足りないものを補う方法として何があるかを知る必要があるのだ。
自社分析、市場分析、競合分析をするのもいいが、一番大切なのは、自社に足りないものが何で、足りないものを補う方法、選択肢として何があるのかを知ることだ。米軍ビジネスに躊躇する場合、大体この3つのうちのいずれかが足りない。そして、その不足分を補う方法としての選択肢が限られている場合がある。作業を行う人材の不足、英語要員の不足、適切な情報の不足など、様々な不足があるだろう。
私のクライアントも米軍ビジネスに足りないものが何かが分からず、漠然とした不安を抱えていた。だが、ほんの少しだけヒントを伝えるだけで、一気にビジネスとしての可能性を開くことができている。
もしあなたも自社に足りないものが何かが明確にできない場合、少し考えてみてほしい。足りなければそれを補う方法があるのか、選択肢を増やせれば行動できるのか?