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【知っておくべき基本】米軍工事の「ボンド」って、一体何?

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米軍工事の入札に参加しようとすると、必ず目にする「ボンド(Bond)」という言葉。なんとなく「保証金のようなもの?」と理解していても、その正確な役割や種類について、はっきりと説明できる方は意外と少ないかもしれない。僕自身もお会いする方に何度もボンドについて説明を求められるシーンが多くある。

今回は、米軍工事の信頼性と安定性を支える、この重要な「ボンド制度」について、基本の”キ”を今日からご紹介しよう。


米軍工事におけるボンドの基本

そもそもボンドとは、保証会社(Surety Company)が発行する金融保証のことだ。これは、万が一、請負業者が契約上の義務を果たせなかった場合に、発注者である米軍や、下請業者・労働者を経済的な損失から守るための仕組みだ。この制度は「ミラー法(Miller Act)」という米国連邦法によって定められており、主に以下の3種類がある。

1. 入札保証ボンド(Bid Bond)

  • 役割: 「落札したら、必ず契約します」という約束の保証だ。
  • 目的: 落札した業者が、正当な理由なく契約を辞退することを防ぐ。もし辞退した場合、保証会社が政府の損害(次点業者との差額など)を補償する。
  • 差し入れのタイミング: 入札時に、入札書類と一緒に提出する。

2. 履行保証ボンド(Performance Bond)

  • 役割: 「プロジェクトを必ず完成させます」という約束の保証だ。
  • 目的: 業者の倒産や技術力不足などで、工事が完成できなくなるリスクから政府(米軍)を守る。万が一の場合は、保証会社が代替業者を手配するなどして、プロジェクトの完成を保証する。
  • 差し入れのタイミング: 契約時に提出する。

3. 支払保証ボンド(Payment Bond)

  • 役割: 「下請業者や労働者に、きちんと支払います」という約束の保証だ。
  • 目的: 元請負業者が、下請業者や資材業者、労働者への支払いを怠ることを防ぐ。米軍の物件には抵当権が設定できないため、このボンドが弱い立場になりがちな下請業者などを守る、非常に重要な役割を果たす。
  • 差し入れのタイミング: 履行保証ボンドと同時に、契約時に提出する。

この3つのボンドは、米軍工事という大規模で複雑なプロジェクトを、関係者全員が安心して進めるための根幹的な制度だ。この仕組みを正しく理解し、どのタイミングで差し入れるものなのかなどを知っておくと、いざボンドを用意しなきゃという場面でも混乱しなくて済むと思う。

ボンドを獲得するハードルは高いが、一度獲得すれば保証枠の範囲であれば、何度でも建設プロジェクトに入札することができる。ボンドに興味がなくとも、米軍プロジェクトの知識として理解しておいてほしい。


※もしあなたが、入札について・プロジェクトについて・いろいろと質問があれば、どしどしメールしてほしい。
 質問に対する回答はここでもシェアさせていただく。info@alphamarketing.co.jp までお気軽にどうぞ。


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